“ブス”とからかわれたことがトラウマで買い物依存症に…
テレビ朝日系で放送されている人気番組「ぶっちゃけ寺」で、
イケメン僧侶としてもおなじみの大來尚順さん。
山口県・浄土真宗のお寺に生まれ育ち、
現在では、山口県の自坊(超勝寺)と東京を行き来しながら、
通訳・翻訳家としても国内外への仏教伝道活動に積極的な大來さんが、
買い物依存症に悩める女性にアドバイスをくれました。
【30歳女性・会社員のお悩み】
幼い頃、同級生に“ブス”といじめられたことが原因で、
自分の容姿に自信が持てなくなりました。
大人になった今の私は、洋服や化粧品をつい買い過ぎてしまい、
毎月のカードの支払いに追われる日々です。
このようにして買った洋服も一度着るとすぐに飽きて、
また次々と新しい洋服が欲しくなります。
こんな自分の欲望を何とかしたいのですが、どうしたら良いのでしょうか？
【大來さんのアドバイス】
幼い頃、同級生に傷つく事を言われたとのこと。さぞかし辛い経験だったでしょう。
その事があなたのトラウマになって、現在の自分の人生にも
悪い影響を及ぼしてしまっているのは仕方がない事かもしれませんね。
しかし、これは何もあなただけに限った事ではありません。
それぞれ人は皆、それぞれ自分自身にコンプレックスを抱えており、
それを補おうとして必要以上にエネルギーを使ってしまうのです。
もちろん、私もそのうちの一人です。
私の場合、高校生から大学生にかけ、ひどい肌荒れで
にきびなどで肌がかぶれたり、すぐに顔がはれたりしていました。
特に、見た目が気になる年頃ということもあり、
外出する際には人目を避けるようにしていました。
ですから、少しでも肌の症状に効果のある薬やサプリメントがあると人から聞くと、
すぐに様々なものを買っていました。
しかし、買ったはいいものの、実際に全て飲みきったり使いきったものは何一つなく、
新商品が出てはすぐに買っていたので、部屋じゅう使いかけのチューブの塗り薬や
サプリメントであふれていました（笑）。
今となっては笑い話ですが、その当時は本当に悩んでいたので必死でした。
さて、ほんの少しあなたが買い物する時間を止めて考えていただきたいのですが、
高価な化粧品や洋服、アクセサリーなどを買って、それらを身にまとい、
一度でもあなたの悩みが本当に解決されことがありましたか？
おそらく、解決されることはなかったのではないでしょうか。
だから、次から次へと襲ってくる物欲に悩まされているのだと思います。
大切なのは、“物の豊かさ”よりも“心の豊かさ”です。
どんな高価な化粧品や洋服、アクセサリーよりも
心の豊かさは、あなたを美しくしてくれるはずです。
また、心の豊かさは、自然とこぼれるあなたの素敵な笑顔だったり、
何気ない日常生活での行動や仕草に表れてきます。
そのような美しい笑顔や仕草は、必ずあなたの魅力となるはずです。
ここでぜひご紹介したいのが、「少欲知足（しょうよくちそく）」という
ブッダの教えです。
簡単に説明しますと、「欲を少なくして、足るを知る」すなわち、
「生きる上では、すでに様々なものが十分与えられているということに気づき、
満足をする」という意味になります。
英語では、「Realize satisfaction by lessening your selfish desires」
とも表現できます。
この英文を直訳すると、「利己的な欲求を少なくすることによって、
すでに満たされていることを認識してください」となります。
なんとなく、「少欲知足」の意味を理解していただけましたか？
まずは、自分がこの世に「生きている」のか、「生かされている」のか
というところを考えてみませんか？
そして、あなたの家族や今までお世話になった友人、同僚、先輩、学校の先生の顔など
頭の中に浮かべてみましょう。
化粧品や洋服、アクセサリーなどは飽きてしまえば、すぐに捨てられてしまいます。
しかし、あなたの大切な人間関係は飽きることもなければ、捨てることなどないでしょう。
“自分は、生かされて今ここにいる”
このように思うことで、自然と心の余裕が生まれ、幸せの実感が湧いてくるのです。
余談ですが、先程の私の肌トラブルも、結局はストレスが原因によるものだったようで、
心の落ち着きや余裕を持つようになってからは、だんだん症状が改善されていきました。
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