「パーソナルトレーニングの無料体験に行ったら、高額なコースを勧められた」「解約したいのに、思っていた以上の費用を請求された」――そんな契約トラブルに注意が必要です。
パーソナルトレーニングは、自分に合った運動方法を教えてもらえる便利なサービスです。
一方で、無料体験後の強引な勧誘や、エステ・サプリメントなどの追加契約、解約時の予想外の請求といった相談が寄せられています。
国民生活センターが2026年10月7日に公表した注意喚起によると、パーソナルトレーニングに関する相談は2025年度に1,457件となりました。
この記事では、パーソナルトレーニングの高額契約で起こりやすいトラブルや、契約前に確認したいポイント、契約後に解約したくなった場合の対処法をわかりやすく紹介します。
パーソナルトレーニングの高額契約トラブルが増加!相談件数は?
2025年度の相談件数は1,457件
国民生活センターが公表したデータによると、全国の消費生活センターなどに寄せられたパーソナルトレーニングに関する相談は、近年増加傾向にあります。
- 2021年度:495件
- 2022年度:722件
- 2023年度:861件
- 2024年度:885件
- 2025年度:1,457件
- 2026年度:537件(2026年8月31日までの登録分)
2025年度の相談件数は、前年度の885件から1,457件へと増加しました。
なお、2026年度の件数は8月31日までの登録分であり、年度全体の確定値ではありません。
相談内容には、無料体験後に高額なコースを契約してしまったケースや、途中で解約しようとしたら想定外の費用を請求されたケースなどがあります。
無料体験があるからといって、必ずしも低価格で利用できるとは限りません。
体験後に案内される本契約の料金や条件まで、しっかり確認することが大切です。
高額な契約になるのはなぜ?
パーソナルトレーニングでは、利用者の目標や体力に合わせて、トレーニング回数や期間、食事指導などを個別に提案されることがあります。
自分に合ったプランを提案してもらえるのはメリットですが、「あなたにはこのコースが必要」「今申し込めば入会金が無料」といった説明を受け、その場で契約を決めてしまうケースもあるようです。
さらに、トレーニングだけでなく、痩身エステやサプリメントなどを一緒に勧められることもあります。
追加サービスを契約すると、当初考えていた予算を大きく超えてしまう可能性があります。
トレーナーから詳しく説明されると、「プロが言うなら必要なのかも」と感じるかもしれません。
しかし、すすめられたプランが、自分の予算や目的に本当に合っているかは別の問題です。
注意したい!パーソナルトレーニングの契約トラブル事例
無料体験のつもりが高額コースを契約
よくあるのが、SNSやインターネットの広告で無料体験を見つけ、気軽な気持ちで店舗に行ったところ、体験後に高額なコースを勧められるケースです。
体験が終わったあとに長時間のカウンセリングが始まり、「今契約すればお得」「今日だけの特別価格」と説明されると、断りにくくなってしまうこともあります。
国民生活センターには、帰りたいと伝えても勧誘が続き、その場で契約してしまったという相談も寄せられています。
無料体験は、サービスやトレーナーとの相性を確かめるために利用するものです。
その場で入会を決める必要はありません。
「一度持ち帰って考えたい」と伝え、すぐに決めないことも大切です。
エステやサプリメントもセットで契約してしまう
トレーニングの契約を検討しているときに、エステやサプリメントなどの追加サービスを勧められるケースもあります。
「このコースとセットなら割引になる」「目標を達成するにはエステも必要」と説明され、当初は希望していなかったサービスまで申し込んでしまうことがあります。
東京都が公表した事例では、12か月のパーソナルトレーニング契約に加え、エステも契約した人が、後日解約を申し出た際に追加費用を請求されたと主張しています。
もちろん、エステやサプリメントがすべて不要というわけではありません。
ただし、自分が希望していないサービスまで、割引を理由に契約する必要はありません。
追加サービスを勧められた場合は、トレーニングとは別に料金や解約条件を確認し、本当に必要かどうかを考えましょう。
解約時に高額な費用を請求された
契約するときには「いつでも解約できる」「キャンペーンで入会金は無料」と説明されたのに、実際に解約を申し出ると、予想していなかった費用を請求されるケースもあります。
たとえば、長期契約を途中で解約した際に、キャンペーンで無料になっていた入会金やオプション料金などを請求されたという相談があります。
契約時にはお得に感じても、途中解約すると割引が適用されなくなり、結果として大きな負担になる可能性があります。
また、解約手続きがスムーズに進まない、解約できたと思っていたのに月額料金の引き落としが続いていた、といったトラブルにも注意が必要です。
契約時の説明だけで判断せず、解約条件や費用の計算方法が契約書にどう記載されているかを確認しましょう。
契約する前に確認したい5つのポイント
1. 総額はいくらになるのか
広告に「月々○○円」「1回あたり○○円」と書かれていても、それだけで契約全体の費用を判断するのは危険です。
入会金、事務手数料、月会費、食事指導料、オプション料金などが別途かかる場合があります。
契約前には、次の項目を確認しましょう。
- 入会金や事務手数料
- 月会費やコース料金
- 契約期間と利用できる回数
- 食事指導やオプションの追加料金
- 契約期間中に支払う総額
月々の支払いだけでなく、契約期間全体でいくら支払うのかを把握することが大切です。
2. 中途解約の条件と違約金
仕事や家庭の事情、体調の変化などで、契約した期間の最後まで通えなくなることもあります。
そのため、契約前に中途解約の条件を確認しておきましょう。
- 途中で解約できるのか
- 解約時に手数料や違約金がかかるのか
- キャンペーンの割引が取り消されるのか
- 未利用分の料金は返金されるのか
- 解約申請はどの方法で行うのか
「解約できる」と説明されても、解約に伴う費用が発生する可能性があります。
費用の有無だけでなく、どのように計算されるのかまで確認してください。
3. 予約は希望どおりに取れるのか
契約したのに予約が取れず、思うようにトレーニングを受けられないというトラブルもあります。
特に、仕事帰りや土日など、利用したい時間帯が決まっている人は注意が必要です。
契約前に、次の点を確認しておきましょう。
- 希望する曜日や時間帯に予約できるか
- 予約変更やキャンセルの期限
- 予約が取れなかった場合の対応
- トレーナーの変更ができるか
- 月に何回まで利用できるか
「通い放題」と書かれていても、予約枠の状況によっては希望どおりに利用できないことがあります。
実際の利用条件を確認しておくと安心です。
4. エステやサプリメントは本当に必要か
トレーニング以外のサービスを勧められた場合は、必要性を落ち着いて考えましょう。
「セットで契約すると安くなる」と説明されても、不要なサービスまで契約すれば支払総額は増えてしまいます。
追加サービスについては、料金や契約期間、解約条件をそれぞれ確認し、トレーニングだけの契約が可能かどうかも聞いておきましょう。
割引を受けることよりも、自分に必要なサービスだけを選ぶことが大切です。
5. 口頭の説明と契約書の内容が一致しているか
スタッフから説明された内容と、契約書に書かれている条件が同じかどうかも重要です。
特に「入会金無料」「途中解約でも追加料金なし」「いつでも予約可能」といった説明を受けた場合は、契約書や利用規約にも反映されているか確認してください。
内容が分かりにくい場合や、説明と書面が違う場合は、その場で署名せず、納得できるまで質問しましょう。
契約書や利用規約は、あとで確認できるように保管しておくことをおすすめします。
契約してしまったあとに解約したくなったら?
まずは契約書と解約条件を確認する
契約後に「やっぱり解約したい」と思った場合は、まず契約書や利用規約を確認しましょう。
解約の申請方法や期限、解約時に必要な費用、返金の条件などが記載されている場合があります。
口頭で説明された内容と書面の記載が異なる場合は、その説明を受けた日時や担当者、メールやメッセージなどの記録も整理しておくとよいでしょう。
解約の申し出は記録が残る方法で行う
解約を申し出るときは、店舗での口頭連絡だけでなく、メールなど記録が残る方法も利用すると安心です。
解約を申し出た日付、相手からの返信、案内された手続きなどを保管しておきましょう。
また、解約できたと思っていても、手続きが完了していない可能性があります。
解約完了の連絡や、料金の引き落としが止まっているかどうかも確認してください。
事業者と連絡が取れない、手続きが進まない、説明のない料金を請求されたといった場合は、一人で抱え込まずに相談しましょう。
クーリング・オフができるとは限らない
契約をやめたいときに気になるのが、クーリング・オフ制度です。
ただし、パーソナルトレーニングの契約は、すべてが一律にクーリング・オフの対象になるわけではありません。
契約方法やサービスの内容、契約の経緯などによって扱いが異なる可能性があります。
「契約したばかりだから必ず取り消せる」「店舗で契約したから絶対に解約できない」と決めつけず、状況に応じて確認することが重要です。
勧誘時の説明に問題があった場合など、個別の事情によっては契約の取り消しなどが問題になることもあります。
判断に迷う場合は、消費生活センターに相談してください。
パーソナルトレーニングの契約トラブルはどこに相談する?
消費者ホットライン「188」に相談
高額な解約料を請求された、契約時の説明と内容が違う、解約を申し出ても対応してもらえないといった場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」に相談できます。
188に電話すると、原則として、住んでいる地域の消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。
相談する際は、契約書、利用規約、支払い履歴、事業者とのメールやメッセージなどを手元に用意すると、状況を説明しやすくなります。
「こんなことを相談してもいいのかな」と迷う場合でも、早めに相談することが大切です。
詳しくはこちらをご確認ください。
国民生活センター:パーソナルトレーニングに関する契約トラブル
納得できない請求はそのまま支払う前に確認する
解約時に説明のなかった費用を請求された場合は、請求の内訳や契約上の根拠を事業者に確認しましょう。
請求されたからといって、必ずしもその金額が妥当とは限りません。
一方で、契約条件によっては費用が発生する場合もあるため、内容を確認せずに判断するのも避けたいところです。
請求の根拠が分からない場合や、事業者との話し合いが難しい場合は、消費生活センターに相談し、今後の対応について助言を受けましょう。
まとめ:パーソナルトレーニングは契約内容を確認してから申し込もう
パーソナルトレーニングは、自分の目標に合わせて運動を続けられる便利なサービスです。
しかし、無料体験後の高額契約や、エステ・サプリメントなどの追加勧誘、解約時の予想外の費用請求といったトラブルには注意が必要です。
契約前には、次のポイントを押さえておきましょう。
- 広告の月額料金だけでなく、契約総額を確認する
- 中途解約の条件や違約金、返金方法を確認する
- 希望する日時に予約できるか確認する
- エステやサプリメントなどの追加契約は慎重に判断する
- 説明と契約書の内容が一致しているか確認する
- その場で決めず、必要なら持ち帰って検討する
「今日だけの特別価格」「今契約すればお得」と言われても、焦って決める必要はありません。
自分の予算や目的に合っているか、無理なく通い続けられるかを考えてから契約しましょう。
すでにトラブルになっている場合は、消費者ホットライン188などの相談窓口を利用してください。
契約内容をきちんと確認することが、後悔しないジム選びにつながります。
【出典】

